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日々のブログ。

世界遺産 サン=サヴァン (Saint-Savin) サン=サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院

ヌーヴェル=アキテーヌ地方 ヴィエンヌ県 にある
サン=サヴァン (Saint-Savin)に立ち寄りました。


【世界遺産】サン=サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会


フランスの世界遺産
「モンサンミッシェル」や「ヴェルサイユ宮殿」が有名で、
ここは知りませんでした。
ロマネスクの壁画がきれいな状態で残されている観光スポット


フランスには、あまり知られていない穴場的存在の世界遺産が
まだまだたくさんありそうです。

サン=サヴァン・シュル・ガルタンプとは、
ガルタンプ川沿いの聖サヴァンの意味だそうです。

息を呑むような美しさ。 
思わずToraも覗きますが、川沿いの民家にワンちゃん発見

修道院に面する位置でガルタンプ川にかかるゴシックの橋 (Le pont gothique)


 


ロマネスク様式の建物そのものが魅力 
高さ77mの鐘楼は圧巻ですね!
この鐘楼は、サン=サヴァンの街のシンボルで、
別名「ロマネスクのシスティーナ礼拝堂」と呼ばれているそうです。

伝説的には5世紀にこの地で殉教した聖人サヴァン (Saint Savin) に遡り、
とても長い歴史があるようです。


修道院が建てられたのは、約300年後の8世紀カール大帝の時代の頃とされていていますが、1040~90年頃にかけて新たな修道院教会が建設され
1840~49年にかけて大規模な修復作業が進められた。
その後、フランスとイングランドの間で争われたアンジュー帝国を巡る混乱や百年戦争(1337〜1453年)などで領主がたびたび替わり、
1547年には、修道院長選挙が廃止されて国王が修道院長を任命するようになり、
修道院に関心のない修道院長が相次いで、施設の解体・売却などで、
1611年には修道士が追放され、17世紀前半にはほとんどの建物がなくなったそうです。


修道士たちによって1682~92年にかけて破壊された建物の修復を進め修道院として再建
かなり、はしょりましたが現在のシルエットになったようです。

 

修道院教会の内部は、身廊は高さ17mと高く、
植物文様の柱頭装飾を持つ大理石塗装の円柱

 

柱には彫刻が施され、壁画と同じような模様が描かれています。


12世紀頃のロマネスク期のキリスト教壁画の傑作とされる壁画が、
一部に劣化や判読不明箇所もありますが、
鮮やかな色彩のまま40点近くの壁画が残されているのも素晴らしい。


天井は身廊の筒を半分に割ったような形の連続アーチに描かれたフレスコ画で
覆われていました。


絵のテーマは『旧約聖書』の「創世記」と「出エジプト記」の物語で、
天地創造、アダムとイブ、カインとアベル、ノアの方舟(はこぶね)、バベルの塔、
モーセの出エジプトなど約50の場面が描かれていて巨大な絵本のようで、
絵で学べました。

     


現在に至るまで様々な宗教戦争や暴動で都度危機にさらされてきたようですが、
村人たちが壁画を守るために壁を塗りつぶし難を逃れ、
その後も塗っては剥がしを繰り返しながら、大事な壁画を守り続けてきたそうです。


「フレスコ画」とは

壁に直接絵を描く技法で、生乾きの壁に顔料を水で溶いて絵を描き、壁の乾燥によって定着させる技法


音声ガイドも日本語がありとても分かり易かったです。 
特にこの部分の翻訳が素敵で紹介したくて思わず一部写真をとってしまいました。


失敗に終わった修復作業の跡を、
結局様々な作業の跡を見えるように残す道が選ばれました。
修復作業の基本方針は、
作り変えるのではなく保存して、介入は最小限に抑えるというものでした。
例えば永遠に失われてしまった部分の空白
つまり「欠落」をそのまま残す方法がとられました。 続きは下の写真へ

    


是非是非、機会があれば訪れていただき音声ガイドの翻訳を聞いてみてください。
とっても分かりやすくて、翻訳された方に会ってみたくなりました。


時々何言ってるかわからない音声ガイドがあるので深く感動しました。


Toraの入場ができないので夫は外でToraとお庭を散歩

あまりにも素敵だったので夫と交代して3時間以上ここで過ごしてしました。


街はとてものどか


この街に宿泊したのですが、レストランがあまりなく夕食は隣町まで移動しました。
帰りの風景
漆黒に浮かぶライトアップされた建物と星と月がとても綺麗でした。

 

こちらのレストランのオーナー30代の男性(日本語で話しかけられました)


ヴァカンスで訪れて虜になりパリから家族で引っ越してきたそうです。
都会の生活から解放されて、とても有意義な暮らしになったと言われていました。
その後、パリの友達家族も3組も引っ越してきたとそうです。
何より、決断した理由は高級新車が一台買える値段で、
パリより広大なお庭付きのおうちに住めるからだそうです。
引っ越し場所にオススメですよ。 


熱心に聞き入る夫の横で、娘が無理無理と言ってました(笑)