今 

日々のブログ。

越えられた試練

 あーよかった! 最高 \(^-^)/
って心から思う噂を聞きました。


私がまだ20代の頃に知り合った、
私より少し年上のノリノリのイケメンドクターが、
生きていました。

ヴァレンタインデーには、

チョコレートがいっぱいに詰まった紙袋を
2つも3つも抱えて長い足で颯爽と歩く

白衣姿の彼は多くの患者さんから大変人気がありました。



が、診察前の彼は、ちょっといけ好かない外科医でした。


そんないけ好かないノリノリの彼が骨肉腫になり、
片足の切断を同僚の医師に宣告されました。


私は、彼とペアーで仕事するシチュエーションがよくあり、
結構プライベートの話をしたり、仲良くしていたので、
心が張り裂けそうなくらい泣きたかったけど、
彼は泣いていなくて、怒っていました。


超エリートで挫折知らずの彼。
これからって時に、、、馬鹿野郎!!! 
身体中から悔しさと怒りのパワーが、
ワナワナと伝わってくるくらいでした。


その場に私だけ。
なんて返せばいいかわからず、


かと言って、


ここで、私が泣くのも申し訳ないので、
一緒に怒ってやった。 


彼がばかやろー っていうから、
私も馬鹿野郎が くそ! って、彼の言葉にかぶせてもう一言付け加えた。


そうすると、また彼が、
くそったれが! ふざけんな! 
って言ったから、私も


くそったれが! ふざけんな! 首洗って出直せや! って、
怒ったら、、不意に彼が言った。


首洗って? ですよね。


つい言葉が、、、首洗わなくていいか。 


なんで僕なんだ!!! 


そうだそうだ!!!足長いからって、なんで切る必要があるんだ! 


えっ? ちょっとちがうな … 


一瞬笑ったけど、


なんで? いま? とつぶやいていました。


(あっ ちなみに付き合ってません。
   私は好きでしたけどね。婚約者がちゃんといましたよ。)


そうなんだよ!なんでいまなんだよ!


それから二人で、静かに泣きました。 
そんな場面を鮮明に思い出しました。


それから数ヶ月後、彼は、
抗がん剤治療を受けて、手術を受けました。


手術室に30人以上の医師が集まり、
ありとあらゆる科のドクター達が、
力を合わせて足は保存されました。


そして、彼はリハビリを兼ねて復活しました。
リハビリ期間中も、私は彼とペアーになりました。


みーちゃん、僕に主治医が言ったんだ。

これから数年の間の生存率は50%だ!
って、僕はね、この言葉をたくさんの患者さんに当たり前のように言ってきたよ。


それが、なんの意味をなさないことを勉強したよ。

僕の体は、0%の死ぬか100%の生きるしかないんだよ。
50%死んで50%生きることはないんだよね。
この病気にならなかったら、僕はずーっと、
僕の患者さんにそういうことしか言えなかったのかと思ったら、
この病気になった僕を少し受け入れられた気がするんだ。


背も高くて颯爽とした、いつも自信に満ちた姿のイケメン医師


抗がん剤で髪も抜けて、
何クルーも治療を受けて絶望的な時もあったけどよかったね。


でも、私は、この後、この職場をやめたので
その後のドクターの話は風の便りだけ。。。連絡先は知っていたんだけど、
こちらに移住して、携帯のコンセントを入れた瞬間、
携帯の電源が2度と入らなくなってしまった。
無知な人間の失敗で携帯を壊しました。
データーも全て飛びました。
それ以降、会うこともなく20年。。。


イケメンドクターの生存を信じながらも、
もしかして、、、と思うと怖くて追跡していなかったんだけど。


共通の知り合いが、
昔話になって、みーちゃん 元気かな? って


イケメンドクターが言ってたよ。 って!!!!


わーーーーーーい!!!!
生きてたんだね。
よかった。
泣きそうになるくらい、嬉しかった。
生きててくれたんだ。  
イケメンだけじゃない、
素晴らしい人になっていました。


神様は、その人に合った、
少し難しいけど、必ず超えられる試練を与える。


っていうけど、超えられる人ってやっぱり限られていると思う。
ハードル高い試練を越えた先生にもう一回会ってみたいな。


と思うけど、
そんなに素敵になってるなら、好きになったら困るので、
今までと同じように遠いところからだけど、
先生、生きてるよね?って時々思い出します。


その方が、私も頑張れるから。


嬉しい便りを届けてくれた彼女に感謝します。
            ありがとう!!!


12月5日の中身 撮影前にチョコレート食べられちゃった。

     今日も最後まで読んでくれてありがとうございました。